こんにちは、介護士のケンマルです。
今回は、要支援と要介護について、その違いや利用できるサービスなどを詳しく解説します。
要支援と要介護は、高齢者が介護保険のサービスを受けるために必要な認定ですが、どちらも同じと思っていませんか?
実は、要支援と要介護は、介護の必要度や利用できるサービスの種類や範囲が異なります。それでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
要支援と要介護の違い
要支援と要介護の違いは、主に以下の3点です。
介護の必要度:要支援は、日常生活において部分的な介助が必要な状態です。例えば、食事や入浴などの一部の動作に手助けが必要な場合です。
要介護は、日常生活において全面的な介助が必要な状態です。例えば、食事や入浴などのほとんどの動作に手助けが必要な場合です。
利用限度額:利用限度額とは、介護保険で利用できるサービスの金額の上限のことを指します。
要支援は、利用限度額が月額約5万円から約10万円。
要介護は、利用限度額が月額約16万円から約36万円。つまり、要介護の方がより多くのサービスを利用できます。
要加護認定基準時間の違い
要加護認定基準時間で要支援~要介護の時間の違いは下記のとおりです。
要加護認定基準時間 | |
要支援1 | 25分以上32分未満またはこれに相当する状態 |
要支援2 | 32分以上50分未満 |
要介護1 | 32分以上50分未満 |
要介護2 | 50分以上70分未満 |
要介護3 | 70分以上90分未満 |
要介護4 | 90分以上110分未満 |
要介護5 | 110分以上 |
要支援と要介護で利用できるサービス
要支援と要介護では、利用できるサービスの種類や範囲も異なります。一般的には、以下のように分けられます。
①要支援で利用できるサービス:訪問介護(身体・生活)、訪問入浴介護、通所リハビリテーション(デイケア)、居宅療養管理指導(ケアマネジメント)、福祉用具貸与
②要介護で利用できるサービス:訪問介護(身体・生活)、訪問入浴介護、通所リハビリテーション(デイケア)、居宅療養管理指導(ケアマネジメント)、福祉用具貸与に加えて、訪問看護、訪問リハビリテーション(理学・作業療法)、通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)、居宅介護支援(介護保険施設)、介護予防サービスなど
③福祉用具貸与につて
福祉用具貸与を利用するには、まず担当のケアマネジャーと相談して、必要な福祉用具を決めます。その後、指定された福祉用具貸与事業者から福祉用具を借ります。
福祉用具貸与事業者は、利用者の状態や希望に応じて適切な福祉用具を選定し、個別サービス計画(福祉用具サービス計画)を作成します。
また、福祉用具貸与事業者は、レンタルサービス開始後もモニタリングを行い、利用者の自立支援や介助者の負担軽減に適切な状態かどうかを確認していきます。
福祉用具貸与の利用料金は、平成30年10月から全国平均貸与価格及び貸与価格の上限が設定されています。これにより、同じ商品でも事業者ごとに料金が異なることがなくなりました。
利用料金は自己負担額(10%または30%)として支払います。ただし、一部の種目では上限額以下でも自己負担額が一定額以上となる場合があります。
福祉用具貸与の種目一覧
要支援1・2 要介護度1 | 要介護度2.3 | 要介護度4・5 | |
車いす | 原則NG | 〇 | 〇 |
車いすの付属品 | 原則NG | 〇 | 〇 |
特殊寝台 | 原則NG | 〇 | 〇 |
特殊寝台付属品 | 原則NG | 〇 | 〇 |
床ずれ防止用具 | 原則NG | 〇 | 〇 |
体位変換機 | 原則NG | 〇 | 〇 |
手すり | 〇 | 〇 | 〇 |
スロープ | 〇 | 〇 | 〇 |
歩行器 | 〇 | 〇 | 〇 |
歩行補助杖 | 〇 | 〇 | 〇 |
認知症老人徘徊 感知装置 | 原則NG | 〇 | 〇 |
移乗用リフト | 原則NG | 〇 | 〇 |
自動排泄処理装置 | 原則NG | 原則NG | 〇 |
詳しくは厚生労働省ホームページで公表されている全国平均貸与価格及び貸与価格の上限一覧をご確認ください。
認定を受けるためには?
要支援や要介護の認定を受けるためには、まず市区町村の窓口に申請する必要があります。
申請すると、介護保険の専門家であるケアマネジャーが自宅や施設などに訪問して、介護の必要度を調査します。
その結果をもとに、市区町村の審査会が要支援や要介護の認定を決定します。
認定されると、利用できるサービスや利用限度額などが通知されます。認定は原則2年ごとに見直されます。
まとめ
要支援と要介護は、高齢者が介護保険のサービスを受けるために必要な認定です。
要支援は、部分的な介助が必要な状態で、利用限度額や利用可能時間が低く、利用できるサービスも限られています。
要介護は、全面的な介助が必要な状態で、利用限度額や利用可能時間が高く、利用できるサービスも多岐にわたります。
認定を受けるためには、市区町村の窓口に申請し、ケアマネジャーの調査と審査会の決定を経る必要があります。
以上、ケンマルがお送りしました。次回もお楽しみに!