認知症をよく理解すると介護する側も少し気が楽になる!【九つの法則・一つの原則】

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介護の豆知識
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みなさんこんにちは!こんばんは!ケンマルです。

以前「認知症の方を落ち着かせる言葉かけについて考えのまとめ」というブログを書きました。

この時実は「九つの法則・一つの原則」という認知症の基礎知識をもとにみんなで対応を考えたんですよね。

今回この「九つの法則・一つの原則」を取り上げようとしたきっかけがありました。

新卒の新人さんがいて、ものすごく利用者さんに優しく仕事も一生懸命取り組んでいたんです。

もちろんそんな人柄なので利用者さんにもすごく人気でした。

ただ認知症の利用者さんと関係が近くなるにつれて、一人の利用者さんからものすごくキツク当たられるようになりました。

この状態って認知症の方に結構見られることなんですが、これが「第二の法則:症状の出現頻度に関する法則」といって「九つの法則・一つの原則」2番目の法則に当てはまるんだと思います。

「第二の法則:症状の出現強度に関する法則」って実は身近な人ほど強く症状が出ることがあるんですよね。

家庭では介護する家族に対して要介護者がキツク当たったりするけど、医者や知人の来客時などではびっくりするほどしっかりと受け答えたり優しくなったりするケースもあるんです。

今回新人さんに対しての利用者さんの態度もこの法則からくるもので、それだけ利用者さんとの距離を詰められたということだと思います。

だから新人さんには「身近な人ほど甘えが出るんだと思うよ。利用者さんからの信頼の証だと思ってね。」と声を掛けました。

こんなことがあったので、認知症の理解することで私たち介護職も都度出現する認知症状を的確に理解することで、その人の言動を受け入れやすく介護もしやすくなると思います。

是非、介護士として出発したばかりの新人さんやご家族の介護で悩んでいる方に読んで頂けると幸いです。

一つの原則(介護の原則)

以前ブログで「認知症の人は私たちと住む世界が違う」という言い回しを取り上げました。

これは認知症の方は記憶の欠如から私たちとは違う見え方や感じ方をするという事です。

介護する側は自分たちの「常識」や「事実」を押し付けないで、認知症の人の世界を理解して尊重することが大切です。

また、不安にさせたり追い詰めたりしないことも大事なポイントになります。

九つの法則

第一の法則:記憶障害に関する法則

こんなことはありませんか?

本当のことを言い聞かせても納得できない、それは本人にとって「事実ではない」からです。

認知症の記憶障害は、体験したことをすぐに忘れてしまう「記銘力の低下」・出来事を丸ごと忘れてしまう

「全体記憶の障害」・新しい記憶から薄れていき記憶が過去にさかのぼって消えていく「記憶の逆行性喪失」の三つがあります。

第二の法則:症状の出現強度の法則

認知症の症状はいつも身近にいてくれる人のまで強く表れ、たまに会う人には症状が弱く出るという法則です。

私たち健常者も家族や恋人など身近な人には少しわがままになったり甘えたりしませんか?

認知症の人はこれが認知症状が強く出るということにつながります。

ようは信頼している人には巣の自分を見せられるという安心感からくるものだといわれています。

第三の法則:自己有利の法則

間違いを指摘したりすると急に気分を害したり不穏にったりする時がありませんか?

自分にとって不利なことは絶対に認めない!これが自己有利の法則です。

ただ、認知症の人にとって自分の能力の低下を認めたくないという防衛本能からくるものと言われています。

ここはこちらが頭ごなしに注意をするのではなく、穏やかに接してあげるのも手だと思います。

第四の法則:まだら症状の法則

認知症の症状は常に出現しているのではなく、まだらに表れるということです。

正常な時には驚くほどしっかりしていて「ほんとに認知症なの?」と疑うほどです。

こんなことはありませんか?病院の先生の前ではしっかり受け答えをするときなんか。

これは「遠慮を感じる相手の前ではしっかり対応できる」という認証の特徴の一つでもあります。

第五の法則:感情残像の法則

これは「出来事は忘れても、その時に感じた感情は残る」ということです。

介護においてこの法則はとても大事だと思っています。

それはうれしかった感情が残る反面不快に感じた感情も残るということ。

そのため否定的な言動を主として介護を行うとその時の嫌だった感情が残り「介護拒否」という状態が表れやすくなるということ。

逆に肯定的な言動を主として介護すると認知症の方の言動や介護に対してのも拒否なども少なくなり穏やかな介護につながります。

認知症の方を褒めることや共感すること、思い込みを受け入れることが大事だと思います。

第六の法則:こだわりの法則

一つのことにこだわり続け周りの人が説得や否定をするとさらにこだわりを強めてしまいます。

対処法としては
1、そのままにしておく・・・特に命にかかわるほど差し迫った状況でなければそっと見守るのも一つの方法です。


2、第三者に入ってもらう・・・第四の法則でも述べた「遠慮を感じる相手の前ではしっかり対応できる」という認知症の特徴を利用したものです。


3、気をそらす・・・別のことに関心を向けて気持ちを切り替えましょう。
その人の趣味や関心の向くものに誘ったり好きな食べ物をだしたりしてみると結構効果的です。

第七の法則:作用・反作用の法則

こちらがイライラしながら介護にあたると認知症の方から暴れたり暴言を吐かれたりと強烈な反応が返ってくることがあります。

「認知症の方の気持ちは介護者の気持ちの表れ」ともいえると思います。

こちらが穏やかに笑顔で接すると結構柔らかな反応が返ってくることが多いです。

童話の「北風と太陽」に似てますね。

第八の法則:認知症症状の了解可能性に関する法則

ちょっとこの分だとわかりにくいですよね。

これは「老年期の知的機能低下の特性から全ての認知症の症状が理解・説明できる」というもの。

一見分かりにくく難しく感じる認知症の方の行動も、本人の立場で考えると行動が理解でき対応の糸口が見えてくるとも言えます。

また、理解を深めることで困った言動も受け止めやすくなると思います。

第九の法則:衰弱の進行に関する法則

認知症は老化の速度が速いといわれています。

認知症の方の老化のスピードはそうでない人の2倍~3倍ほど早いといわれています。

数年後には心身状態が今とは違う状態に陥りやすいとも言えます。

まとめ

いかがでしたか?

今回は認知症の基礎知識「九つの法則・一つの原則」を取り上げてみました。

私たち介護職として日々働いている中で決してゆとりのある労働環境だと思いません。

人員も少ないし人間関係でもストレスを感じたりなどなど。

「九つの法則・一つの原則」のようなことは綺麗ごとだよ!と思うかもしれません。

私もこの法則知っていても介護に行き詰まることもしばしばあります。

ただ、基礎知識を身に着けることで自分の引き出しも増えて解決策の糸口にもなることも確かです。

大事な利用者さんが少しでも快適な生活を送れるためにも私たち介護職も少しでもストレスを溜めないためにもこのブログが微力でも力になれたら幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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