高齢者の徘徊について中核症状やBPSDや対策などなどつぶやき

※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
介護の豆知識
この記事は約6分で読めます。

みなさん、こんにちは!こんばんは!

この前、私のユニットに他のユニット職員が応援に来た時にふと感じたことをつぶやきたいと思います。

認知症の利用者さんがふと立ち上がり、歩き出したときに応援に来た職員が歩き出した理由も確認せずにその利用者に向かって「危ないでしょ!座ってて。」と行動を抑制してしまったんですよね。
そのことについて職員に注意しても聞く耳持たず・・・。残念な気分になりました><。

徘徊って一見して目的もなく、ただうろつき回るように見えても、利用者さん本人にとっては目的があることが多く適切な対応が必要不可欠だと思うんですよね。

また、今回のような「危ないでしょ!座ってて。」って拘束の一つのスピーチロックに当たるんですよね。このスピーチロックについては別記事で取り上げたいと思ってます。

【スピーチロック】普段、忙しい時に利用者さんについつい言ってしまう言葉から拘束なるかも? スピーチロックについて考えてみる。
みなさんこんにちは!こんばんは! 今回は、介護をしていて忙しいときなどについつい利用者さんの行動に対して「ちょっと待ってね!」などついつい口に出てしまうこの行為について色々考えていきたいと思います。 実はこの「ちょっと待ってね!」って声掛け...

認知症状の一つ「徘徊」について

徘徊を語る前に、認知症の症状には大きく「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の二つに分類されてます。

・中核症状とは

中核症状とは脳の神経細胞が壊れることによって直接起こる症状のことです。具体的には「記憶障害」「失語」「失効」「失認」「見当識障害」「実行機能障害」「理解・判断力の障害」があります。

「記憶障害」・・・もの忘れなど比較的「近い記憶」と「エピソード記憶(個人が経験してた出来事に関する記憶)」から失われていくので、ついさっきまで何をしていたかという具体的な行動を忘れてしまいます。

「失語」・・・失語とは「言葉が出ない」「言葉が理解できない」という2種類があり、脳のどの部分に障害が起こるかで違い出ます。

「失効」・・・手や足の運動機能に問題が無いにもかかわらず、「洋服のボタンがとめられない」「洋服の脱ぎ着が出来ない」「使い慣れた物の使い方がわからなくなる」などといった行動に現れます。

「失認」・・・目や耳、皮膚感覚などの「感じる」ために必要な器官に異常がないのに、聞こえている音が何なのか分からなかったり、人の顔などが分からなくもなります。

「見当識障害」・・・「今がいつか(時間)」「ここがどこか(場所)」が分からなくなる状態です。引っ越しなどの環境変化でとりわけ強く現れることもあります。

「実行機能障害」・・・計画を立てて順序よく物事をおこなうことができなくなります。例えば、食事の準備ができない、電気製品の使い方がわからなくなるなどです。

「理解・判断力の障害」・・・予想外のことが起こると混乱して対処できなくなりうろたえる。例えば「寒いと感じても1枚多く服を着ることが思いつかない。」や曖昧な質問で「何か甘いものがある?」と尋ねてもそれに対して具体的な「あんぱん」などの答えが浮かばないなどなど。

行動・心理症状(BPSD)とは

行動・心理症状BPSDは「中核症状」に伴って現れる。行動・精神面の症状で介護者が苦慮することが多い症状とも言われています。

行動症状には「暴力」「暴言」「徘徊」「多動」「拒絶」「不潔行為」などが挙げられます。

心理症状には「抑うつ」「不安」「幻覚」「妄想」「睡眠障害」などが挙げられます。

徘徊について少し深堀

徘徊の具体的な事例は

1、記憶障害や見当識障害を原因とした徘徊・・・トイレに行きたくてもトイレの場所が分からなくなりウロウロする、腕時計を置いた場所が分からなくなり探し回る、探し物をしていたのに、目的を忘れてしまい歩き回るなど。

2、不安やストレスからくる徘徊・・・引っ越しや施設なので入所した際に新しい環境になじめず、元居た家に帰ろうとする、慣れない場所や人ごみにストレスを感じ、落ち着く場所探すなど。

また、「前頭側頭型認知症」が原因で「決まった時間になると家の中(フロアー内)をぐるっと一周する」など、どんな状況でも同じ行動(常同行動)を繰り返す症状やレビー小体型認知症による「幻聴・幻覚」によりその不安から逃げようとする行動が「徘徊」とされることもあります。

このように、認知症状と徘徊についてざっくりまとめてみました。
次項では私の所属するユニットで徘徊する利用者さんの対応例を簡単に載せたいと思います。

私の所属するユニットでの徘徊への対応

私の所属するユニットの人員構成は正社員3名、パート(9時~5時)2名の計5名です。

一日の職員配置ですが、パートさんがいない日は基本早番と遅番の2名、もしくはパートさん、遅番の2名、多い日で早番1名・日勤1名・遅番1名の計3名で回しています。(ご参考までに)

これで入浴やリネン交換もあり、フロアー対応は常時1名状態が多いです。結構、業務に追われる日々です・・・。

ユニットには徘徊される利用者さんの6名、寝たきりの利用者さん2名、軽介助の利用者さん2名 計10名の利用者さんが入居されています。

徘徊される利用さんに至っては、他のユニットや他の施設で介護拒否が強く手に負えないと言う理由で私の所属するユニットに入居されることになりました。

その際、ユニット職員全員で話し合い、出た結果が「できるだけ、利用者さんにストレスのない環境を提供して極力行動抑制をしたくない。」でした。

話し合いで具体的に出た対応方法は

1、怒らない・・・介護をするうえで当たり前なんですが、現在の介護の現場って職員人数が少なく心身ギリギリ状態で働いているので、様々なストレスから些細なことでもイラっとして怒りに代わることがあると思います。

そんな中、業務で忙しいのに徘徊されるとイラっ!として利用者さんに「怒り」がちになってしまうかもしれません。

ただ、認知症の利用さんにその怒りをぶつけてしまうと、怒られた内容をわすれてしまい、その時に感じた「恐怖」や「不快感」が残ってしまうとも言われることから、話し合いで決して「怒らない」と言う結論に辿り着きました。

2、徘徊が始まったら必ず理由を聞くように声をかける・・・徘徊には本人なりに理由があると言われています。その為、ご家族に利用者さんの若かったころの生活歴を出来るだけ詳しく聞いたうえで利用者さんに声かけるようにしています。

所属ユニットに入居されている利用者さんの多くは、以前自営業(商店やクリーニング屋さん等々)をされている方が多かったことが分かっていたので、店が忙しくなる時間に徘徊が始まっている(常同行動)ことが分かりました。

その為、職員がお客を演じたり、時にはご家族にも協力して頂いたりと対応したところ現在ではほとんど常同行動も落ち着いています。また、その他の徘徊される利用者さんはほとんど理由が「トイレを探している」でした。

その為、立ち上がり動き始めた際は利用者さんの自尊心を傷つけないようそっとトイレまで誘導するように心がけています。

その甲斐があって、全ての利用者さんに介護拒否も無く落ち着いて生活を送って頂けている現状です。

3、他の事に気をそらす・・・上記で上げた常同行動が現れる利用者さんも普段は落ち着てはいるのですが時々、ふと落ち着かなくなることがあるんですよね。

ただ、入所当時のような強い症状ではないので、その時間直前にレクリエーションを始めたり、お茶に誘うなどをして他の事に気をそらすように対応しています。今の所、この方法で落ち着いていますね。

まとめ

いかがでしたか?簡単に実践している徘徊される利用者への対応を書いてみました。

この対応以外にももっと効果的なものがあるかもしれません。日々、試行錯誤してる次第です。

また、ご家庭で認知症のご家族の介護されていて、徘徊などの症状にお困りの方にも参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました