夏の暑さは、特別養護老人ホームで働く介護職員にとって大きな試練ですよね。
熱中症は、高齢者だけでなく、職員自身の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、特養で働く介護職員のみなさんの熱中症対策と、夏を乗り切るための役立つグッズを紹介します。
熱中症とは
熱中症は、体温調節機能が環境の暑さに対応しきれず、体温が異常に上昇する状態を指します。
脱水症状や塩分不足が原因で起こり、最悪の場合、命に関わることがあります。
特養でのリスク
特養では、高齢者のケアに集中するあまり、自分の体調管理がおろそかになりがちなったり、忙しすぎて水分補給もままならないこともありますよね。
しかし、職員が健康でなければ、利用者の安全も守れません。
熱中症対策は、職員自身のためだけでなく、利用者の安全を確保するためにも不可欠です。
熱中症対策
環境を整える
温度管理
施設内の温度は、エアコンや扇風機を適切に使用して管理しましょう。
特に日中の暑い時間帯は、室温を快適な範囲に保つことが重要です。
熱中症対策における温度管理の重要性は、環境内の温度が人の体温調節に直接影響を与えるためです。
体は、一定の温度範囲内で最も効率的に機能します。
この範囲を超えると、体は過度のストレスを感じ、熱中症などの健康問題を引き起こす可能性があります。
以下に、温度管理が熱中症対策においてなぜ重要かを説明します:
- 体温の維持: 体は、内部の温度を約37℃前後に保とうとします。外部環境がこの温度よりも高い場合、体は余分な熱を放出するために汗をかきます。しかし、室温が高すぎると、体は熱を十分に放出できず、体温が上昇し熱中症のリスクが高まります。
- 汗の蒸発: 汗が蒸発することで体は冷却されますが、室温が高いと汗の蒸発が遅れ、効率的な冷却が妨げられます。
- 快適な環境: 適切な温度で環境を整えることは、職員や利用者が快適に過ごすためにも重要です。快適な環境は、ストレスの軽減や全体的な健康維持に寄与します。
- 高齢者の健康: 特に高齢者は熱に対する耐性が低く、体温調節機能が衰えているため、適切な温度管理が特に重要です。
したがって、エアコンや扇風機の使用、日陰を作るためのカーテンやブラインドの利用、適切な換気などによる温度管理は、熱中症を予防し、特養施設での安全と快適さを確保するために不可欠です。
湿度管理
湿度が高いと熱中症になりやすいのは、体の冷却機能が効率的に働かなくなるためです。
人間の体は、汗をかいてその蒸発によって体温を下げるという仕組みを持っています。
しかし、湿度が高いと空気中に水分が多く含まれているため、汗が蒸発しにくくなります。
その結果、体温の上昇を抑えることが難しくなり、熱中症のリスクが高まるのです。
具体的には、湿度が高いと以下のような影響があります:
- 汗の蒸発抑制: 湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、体温調節がうまくいかなくなります。
- 体感温度の上昇: 湿度が高いと体感温度が実際の気温よりも高く感じられ、熱負荷が増加します。
- 発汗効率の低下: 汗をかいても冷却効果が得られにくく、体内の熱がこもりやすくなります。
このため、高湿度環境では特に熱中症に注意が必要です。適切な室温と湿度の管理、こまめな水分補給、そして休憩を取ることが重要になります
個人の対策
水分補給
熱中症対策における水分補給の重要性は、体の冷却機能を維持し、体内の水分バランスを保つためです。
人間の体は、高温環境下で体温を調節するために汗をかきます。
この汗が蒸発することで体温が下がりますが、汗と一緒に失われる水分を補給しないと脱水状態になり、熱中症のリスクが高まります。
以下に、水分補給がなぜ重要かを詳しく説明します:
- 体温調節: 水分は体温を調節するために不可欠です。汗をかいて体温を下げるためには、十分な水分が必要です。
- 脱水防止: 汗とともに失われる水分を補給することで、脱水を防ぎます。脱水は熱中症だけでなく、他の健康問題を引き起こす原因にもなります。
- 循環系の機能維持: 十分な水分がないと血液が濃くなり、心臓に負担がかかります。これにより、血液循環が悪くなり、体全体の機能に影響を及ぼす可能性があります。
- 代謝機能の維持: 水分は代謝プロセスにも関与しており、体内の栄養素の運搬や廃棄物の排出に必要です。
- 認知機能の保護: 脱水は認知機能にも影響を及ぼし、注意力や判断力の低下を引き起こすことがあります。
したがって、特に暑い季節や高温の環境で働く際には、こまめな水分補給が非常に重要です。
水分補給は、清涼飲料水、スポーツドリンク、または水分補給サプリメントを利用して行うことができます。こまめな水分補給を心がけ、熱中症を予防しましょう。
適切な服装
熱中症対策において適切な服装は、体温の上昇を防ぎ、汗の蒸発を助けることを目的としています。以下のポイントを参考にしてください:
- 通気性の良い素材: 綿や麻などの自然素材は通気性が良く、汗を吸収しやすいため、体を涼しく保つのに適しています。
- 吸汗速乾性のよい素材:上記の綿や麻などの素材は汗を吸収しやすく通気性もよいのですが、それだけでは現場で長時間働く介護職にとっては来ているユニフォームが次第に汗でびしょびしょになり不快感が増したりもします。そこで重要となるのが速乾性の高さです。吸汗速乾性のある下着をユニフォームの下に着るだけでかなり快適になります。
- ゆったりとしたデザイン: 体にぴったりとした服よりも、ゆったりとした服の方が空気の流れを良くし、体温の上昇を防ぎます。
これらのポイントを踏まえた服装を選ぶことで、熱中症のリスクを減らし、夏の暑い日でも快適に過ごすことができます。
熱中症対策に役立つ冷却グッズ
冷感タオル
水に濡らして振るだけで冷たくなる冷感タオルは、熱中症対策には欠かせません。首に巻いたり、頭にのせたりして使用できます。
この製品にもメリットとデメリットがありました。
メリットはタオルがぬるくなっても水道水で水に濡らせば直ぐに再利用可能になるという事。
デメリットは去年実際に私も使っていたんですが、思ったほど冷たく感じないということと、一日使っていると若干汗臭くなるんですよね。(私が中年のおっさんのせいもありますが・・・)
対策として数枚用意して午前中1枚使用し午後は新しいタオルを使用するとあまり汗臭くはなりませんでした。衛生面でも1日に複数枚使用する方がいいと思います。
こちらが使用していた2本入り冷感タオルです。Amazonリンクになります。
ネッククーラー
私が去年、冷感タオルの次に使用していたのがこのネッククーラーです。
ネッククーラーにはファンやベルチェ素材で機械手に首を冷やすクーラーとPCM素材を利用して冷蔵庫や冷凍庫で冷やして利用する2タイプがあります。
両者を使ってみたんですが、機械的に冷やすクーラーはバッテリーが必要で本体内蔵のバッテリーだとすぐにバッテリー切れを起こすので外部バッテリー(モバイルバッテリー)にUSBケーブルを繋いでの使用になるので移乗介助や入浴介助の時にはコードが邪魔で使いにくいしクーラー自体も大きいので介護現場には適さないと感じましたね。
余談ですが、バイクのツーリング時に水冷式ベストと合わせてこのネッククーラーを使ってましたね。猛暑時にもそれなりに快適でした。 なので自転車やバイク通勤の方の通勤時使用には良いと思います。
使用していたネッククーラーと水冷式のベストのAmazonリンクです。
リンクに貼ってある私が去年使っていたネッククーラーはバッテリー非搭載搭物なので、併せてバッテリー搭載型のネッククーラーのリンクを貼っておきます。
バッテリー搭載型ネッククーラー
PCM素材のネッククーラーはケーブルもいらなければ本体もそれほど大きくなく邪魔にならないので介護の現場で使ってみて使いやすかったですね。
デメリットは冷たさが1時間程度しか冷たさが持たないのでその都度、冷やしなおさないといけないところが煩わしい点。
ただ、冷凍庫に入れれば10分程度ですぐに使えるようになるので2個くらい用意し使いまわせば問題は無かったですね。
こちらも去年使っていたネッククーラーのAmazonリンクです。
最近では100均でも同様な製品を見かけるのでお金をあまり使いたくない場合はそちらの購入の検討もありだと思います。
今年は100均のクーラーを使う予定なので使用後のレビューはこちらでに載せようと思っています。
吸汗速乾性Tシャツ
職場で支給されるユニフォームが綿や麻製だといいのだけど、ほとんどがポリエステル製のものが多くないですか?
私の職場のユニフォームはポリエステル80%綿20%のものなので汗をかくと結構ベトっとしたり速乾性が皆無なので常の吸汗速乾性の高いTシャツをインナーとして着ています。
速乾性のため常にサラっとした感覚で着ていられるのでユニフォームだけに比べると快適度が段違いです。
まだ試したことがない人は是非試してみてください。本当に快適度が爆上がりしますよ!
オススメの吸水速乾TシャツのAmazonリンクはこちら。この商品は薄い生地なのでユニフォームと重ね着にも最適です。
また、自分の手で触れてから買いたいという方はワークマンやユニクロなどにお手頃価格の吸水速乾Tシャツも売っているので足を運んでみることもおすすめします。
ユニクロとワークマンの公式ページのリンクも用意したのでよかったらご覧になってください。
ユニクロのエアリズムとドライEXクルーネックTの公式ページのリンクです。
ワークマンの冷感特集ページのリンクはこちらです。
まとめ
熱中症は予防が可能です。日々の対策を怠らず、夏を健康に過ごしましょう。今回紹介したグッズを活用して、特養での業務も安全に行えるようにしましょう。